これまで「木のドアノブ」として、無垢材の質感をそのまま感じられる開き戸用のノブを出してきました。このレバーハンドルも、同様の仕上がりになっています。また「木のレバーハンドル」の特徴は、持ち手も軸の部分も全て無垢材で仕上がっていることです。そのような造りのレバーハンドルは、ほとんど例の無いものです。

形はとてもシンプルです。L字の木の塊を、扉に面する側を斜めにカットしただけ。最小限の形の操作しかしていませんが、握った時のフィット感は想像以上です。また、正面からは木の存在感があり、見下ろした時にはシャープに見えるようにもなっています。

タモ材だけでなく、より高級感のあるチェリー材のタイプもご用意しました。細かいところまでつくりこんだプロダクトですが、チェリー材になるとその印象がより引き立ちます。一般的なフラッシュ戸も、別物のような存在感になります。

扉との間に挟む丸座も、全体の印象を左右する部分です。今回は、少し分厚めに大きめにしました。扉に留めるビスは、小ぶりな真鍮ビスを用いて、丸座にぴったりはまるように作られています。また、小口面に筋が見えるのですが、実はこのレバーハンドルは中に鉄製の軸を組みこむために、半分に割ったものを再度接着しています。側面にはかすかに筋が出ていますが、正面からは筋がほぼ見えない仕上がりになっています。高度なテクニックを持つ職人さんだからこそ成せる技です。